長らく品切れ状態となっていました2005年刊行のちくま新書版に加えて、新たに
補論1 「八月十五日」の民意
- 八月十五日に終わった戦争?
- 必要とされた国民的記憶
- 世論調査における「平和の日」と「追悼の日」
補論2 「八・一五神話」再考
- 丸山眞男の八・一五革命
- 左翼と右翼の八・一五動員
- 『世界』の八・一五特集
補論3 「九月ジャーナリズム」を提唱する
- 戦後五十周年、戦後六十周年、戦後七十周年…
- 終戦記念日の東アジア外交
- 九月ジャーナリズムの創出
を増補しました。
長らく品切れ状態となっていました2005年刊行のちくま新書版に加えて、新たに
補論1 「八月十五日」の民意
補論2 「八・一五神話」再考
補論3 「九月ジャーナリズム」を提唱する
を増補しました。
昨年度は前期がサバティカルのため、心機一転の新学期です。「自分の手で優秀な博士を10名ほど指導させてください」と、京大への割愛の際に私は異動の動機を「研究天国」だった日文研でこう説明しました。
昨年は赤上裕幸さんと長崎励朗さんが博士論文を公刊し(『ポスト活字の考古学―「活映」のメディア史』柏書房、『「つながり」の戦後文化誌 ―労音、そして宝塚、万博』河出書房新社)、さらに白戸健一郎さんと松永智子さんが博士論文を書きました。ゼロから始めて博士号を四人出すのに9年かかったことになります。4人とも博士課程3年間で博士論文を書き上げ、予定通り巣立って行きました。この四人が参加した論文集は二冊、座談会は一冊になります。
当面、メディア文化論研究室の目的、そして私の使命は、彼らに続く自立した有能な博士を最低あと6名は社会に送り出すことです。当然ながら、メディア文化論のゼミはスマートな学術論文を書き上げることに集中します。修士2年、博士3年の5年間で博士論文を執筆し、すみやかに書籍として公刊することがノルマだと考えています。
メディア研究で卒論を執筆し、進学を考えている学部生は、月曜2限「図書館情報学・メディア学演習」(大学院科目ですが、学部の単位にも読み換え可能です)と同3限の「相関教育基礎演習」に参加してください。論文指導は、大学院生と一緒に行います。なお、2回生の場合も、この演習に参加して大学院の研究水準を体験しておくことを薦めます。
今年が皆さんに成果多き年となりますことを祈念しております。
4月10日(木曜日)よりメディア文化論(1限目)、14日(月曜日)より大学院演習(2限目)、基礎ゼミ(3限目)、を開講します。
メディア文化論で卒論を執筆したい方は、必ず月曜2限大学院演習と3限の基礎ゼミに出席ください。学内の大学院進学予定希望者も、4月14日の2限目にガイダンスを行いますので参加ください。
日本マス・コミュニケーション学会・第34期第3回研究会「岩波書店百年にみる出版メディア史」
(2014年3月7日(金)、共立女子大学 本館108講義室) 公式サイトはこちら http://www.jmscom.org/
日時:2014年3月7日(金)18:00〜21:00 場所:共立女子大学所:共立女子大学本館108講義室
〒101-8437東京都千代田区一ツ橋2-2-1 電話:03-3237-2869(文芸メディア共同研究室)
問題提起者:十重田裕一(早稲田大学) 吉田則昭(立教大学)
討論者:紅野謙介(日本大学)佐藤卓己(京都大学)苅部直(東京大学)
司会:大島十二愛(共立女子大学) 詳細は下記。http://www.jmscom.org/event/meeting/34/34-03announce.pdf
今年度もメディア文化論研究室では、課程博士論文の完全公開審査を実施します。
博士論文の執筆を検討中の学生院生、関連分野の研究者、出版・報道関係の皆様、ご都合がよろしければ是非ご出席ください。
①2014年1月9日(木) 15 :00 ~17:00 教育学部本館 第2会議室
白戸(松永)智子 「近代日本における英字新聞のメディア論的研究 ― ジャパン・タイムスを中心に―」(課程博士論文)
主査・佐藤卓己准教授、副査・川崎良孝教授、稲垣恭子教授、(外部委員)山口誠関西大学教授
②2014年1月24日(金) 15 :00 ~17:00 教育学部本館 第1会議室
白戸健一郎「満洲電信電話株式会社のメディア史的研究」(課程博士論文)
主査・佐藤卓己准教授、副査・川崎良孝教授、駒込武教授、(外部委員)貴志俊彦教授
*なお、いずれも公開審査会終了後、大学院有志を中心とする懇親会を行いますので、そちらの参加も歓迎します。 文責・佐藤卓己
8月5日、東京の老舗出版社、岩波書店が創業から100年を迎えます。「大正デモクラシー」の時代、日本では民主主義の実現に向けて様々な試みが始まりました。そんな流れの中で1913年(大正2年)に創業されたのが、岩波書店です。創業者の岩波茂雄は自らを「文化の配達夫」と称し、創業翌年には夏目漱石の『こころ』を出版、昭和に入ると東西の古典の普及を目的に「岩波文庫」を創刊します。しかし、個人の自由や人権を尊重しようとする「リベラリズム」は、戦争の時代には無力でした。岩波書店でも編集者が検挙され、存続の危機に陥ります。敗戦後、岩波茂雄は、「戦争を止められなかったのは、文化が大衆のものになっていなかったからだ」との反省に立ち、雑誌『世界』を創刊し、戦後の言論に問題提起を続けてきました。
番組では、出版を通して日本の文化と言論に大きな影響を与えてきた岩波書店の歩みを見つめ、「日本のリベラリズム」の行方について考えます。
みなさんは、岩波書店の本に何か思い出がありますか。また、出版を通して個人の自由や平和を守っていこうとする活動についてどう思いますか。みなさんからの一言をお待ちしています。
ゲスト:佐藤 卓己(京都大学大学院教育学研究科准教授)
記事ID:22481
SNSやデジカメが生まれる半世紀前に、日本人が夢見ていたメディアの「未来」とは?
ポスト活字の考古学 -「活映」のメディア史1911-1958-
赤上裕幸=著 柏書房 2013年3月25日
ISBN978-4-7601-4224-8 四六判・上製 450頁 3,990 円(税込)
すべてを表現できる万能メディアとして、映像文化の普及につとめた「活映」運動。戦前に製作された満州映画とジブリの創設メンバーをつなぐ、忘れられた「活映」の系譜をたどる壮大なメディア論! | |
目次: | [本書の構成] はじめに「電子書籍元年」の既視感 第一章 第一次大戦と「次に来るメディア」の台頭 第二章 活字から活映へ 第三章 論文の映画化とコミュニケーシヨン革命 第四章 紀元2600年前後のメディア文化政策 第五章 映画がつくった実験国家「満洲」 第六章 戦後視聴教育史における「満洲」人脈 第七章 バック・トゥ・ザ・フューチャー |